はじめに:その議事録作成、AIでもっと賢く「無料」で時短しませんか?
「会議が終わっても、まだ議事録作成が残っている…」
「本当は会議の内容にもっと集中したいのに、メモを取るのに必死…」
忙しいあなたにとって、議事録作成は正直なところ「面倒くさい」作業の一つではないでしょうか。
「この作業、AIで自動化できないかな?」 そう思って調べてみても、出てくるのは高機能な有料ツールばかり。「便利そうだけど、お金をかけるほどでは…」と感じてしまいますよね。
ご安心ください。この記事を読めば、あなたが普段から使い慣れているGoogleの無料ツールだけを使って、驚くほど簡単にAI議事録を作成する方法がわかります。
特別な知識やスキルは一切不要です。知恵と工夫で、面倒な議事録作成から解放され、もっと創造的な仕事に時間を使えるようになりましょう。
まずは全体像を理解!AI議事録作成の4つのフェーズ
AIを使った議事録作成は、魔法のように一発で完成するわけではありません。実は、以下の4つのフェーズに分解できます。
- 録音・文字起こし: 会議の発言を音声データとして記録し、テキストに変換します。
- 整形・要約: 文字起こししただけの生データを、AIを使って議事録として分かりやすくまとめます。
- 最終確認・修正: AIが作成した議事録を、最終的に人間の目でチェックし、微調整を加えます。
- 共有: 完成した議事録を、会議の参加者や関係者にスムーズに共有します。
この「型」さえ理解してしまえば、今回ご紹介する方法はもちろん、将来新しいツールが登場したときも、どの部分を置き換えれば良いかすぐに判断でき、応用が効くようになります。
結論:Google無料版でAI議事録はここまで自動化できる!
では、先ほどの4つのフェーズを、Googleの無料ツールでどう実現するのでしょうか?
本記事で紹介する方法を使えば、お手元のPCやスマートフォンだけで、特に時間のかかる**「フェーズ1:文字起こし」から「フェーズ2:整形・要約」までを劇的に自動化**できます。 (もしあなたがGoogle Pixelユーザーなら、標準アプリを使うことで、さらにスムーズに文字起こしが可能です。)
この考え方さえ持っていれば、将来もっと便利なツールが登場したときに、すぐに自分のやり方をアップデートしていくことができます。
それでは、この「応用できる型」を意識しながら、具体的な手順を見ていきましょう。
実践!AI議事録作成の3ステップ【コピペでOK】
まずは「文字起こし」フェーズです。ここではGoogleのツールを紹介しますが、あなたの環境に合わせて最適なものを選んだり、他のツールで代用したりしても構いません。
ステップ1:会議の音声をテキスト化(文字起こし)
まずは、会議の音声をテキストに変換する「文字起こし」の作業です。あなたの環境に合わせて最適な方法を選びましょう。
- PCでGoogleドキュメントを開き、新規ドキュメントを作成します。
- 上部メニューの「ツール」から「音声入力」を選択します。 (ショートカットキー:
Ctrl + Shift + S(Windows) /Cmd + Shift + S(Mac) でもOKです) - 画面に表示されたマイクのアイコンをクリックすると、音声認識が開始されます。もう一度クリックすると停止します。
【ワンポイントアドバイス】 PC内蔵マイクよりも、ヘッドセットや外付けマイクを使うと音声認識の精度が格段に向上します。
- スマホに「Googleドキュメント」アプリをインストールし、起動します。
- 新規ドキュメントを作成し、キーボードを表示させます。
- キーボード上部にあるマイクのアイコンをタップすると、音声入力が開始されます。
Google Pixelスマートフォンをお使いのあなたは、さらに強力な武器を持っています。それが標準搭載されている**「レコーダー」アプリ**です。
- 「レコーダー」アプリを起動し、録音を開始します。
- 録音を終了すると、自動で、しかも話者まで区別して文字起こしが生成されます。
- 文字起こし結果は、Googleドキュメントに直接エクスポートも可能です。
【ワンポイントアドバイス】 Pixelのレコーダーは、オフラインでも動作し、非常に高い精度を誇ります。もしあなたがPixelユーザーなら、これを使わない手はありません。まさに「特権」と言える無料最強の機能です。
ステップ2:文字起こし結果をGeminiで要約 → Canvasで編集開始!
ステップ1で作成した、ただの文字の羅列を、AIの力で「議事録」に進化させましょう。
- GoogleドキュメントやPixelレコーダーの文字起こし結果をすべてコピーします。
- Google Gemini などの生成AIサービスを開きます。※この際に「Canvas」機能にチェックしておきます。
- コピーしたテキストを貼り付け、以下の「魔法のプロンプト(指示文)」と一緒に送信します。
【囲みボックス:そのまま使える!魔法のプロンプト集】
▼まずはシンプルに要約したいとき
以下の会議の文字起こしテキストを、要点をまとめてください。
(ここに文字起こしテキストを貼り付け)
▼決定事項やToDoを整理したいとき
以下の会議の文字起こしテキストから、「決定事項」「ToDo(担当者含む)」「懸念事項」をそれぞれ箇条書きで抽出してください。
(ここに文字起こしテキストを貼り付け)
▼アクション項目を明確にしたいとき
以下の会話から、誰がいつまでに何をする必要があるかをリストアップしてください。
(ここに文字起こしテキストを貼り付け)
【ワンポイント】ここからが本番!Gemini Canvasで編集を加速させよう Geminiが議事録の「たたき台」を生成してくれたら、すぐに編集作業に移りましょう。ここで活躍するのが**「Canvas(キャンバス)」**機能です。
Canvasとは? AIとのチャット画面のすぐ横にある、広々とした編集専用エリアのこと。チャットで生成した文章をワンクリックでCanvasに送り、そこからAIへの追加指示と、あなたの手による直接編集をシームレスに行えます。
Canvasを使うメリット
- コピペの手間なし! 生成された文章をWordやGoogleドキュメントに貼り付け直す必要がありません。
- AIと共同編集! 「この部分、もっと丁寧な言葉にして」「箇条書きでまとめて」とAIに指示を出しつつ、気になった誤字脱字は自分でサッと修正できます。
- 思考が途切れない! 同じ画面内で全ての編集作業が完結するため、集中力を切らさずに議事録を仕上げられます。
まずは生成された議事録案をCanvasに送り、編集の準備を整えましょう。
ステップ3:Canvas上で最終チェック&仕上げ
AIは非常に優秀ですが、万能ではありません。ステップ2で準備したCanvas上で、必ず最後は人間の目でチェックしましょう。
Canvas上で作業することで、気になった点があればすぐに追加でAIに指示を出せるので非常にスムーズです。
【最終チェックリスト】
- [ ] 固有名詞(人名、サービス名)は正しいか?
- [ ] 数字(日付、金額、数量)に間違いはないか?
- [ ] 「決定事項」のニュアンスは正確か?
- [ ] 誰が読んでも誤解なく伝わる表現になっているか?
このひと手間が、議事録の信頼性を大きく左右します。
知っておきたいGoogle無料版の限界と、賢い対策
この方法は非常に強力ですが、無料ならではの弱点も存在します。事前に理解し、賢く対策しましょう。
- 弱点①:話している人を区別できない(※Pixelレコーダーを除く)
- 対策: 会議の最初に「〇〇(名前)です。本日の議題は〜」のように、発言者が自分の名前を言うルールを設ける。
Pixelスマホのレコーダーには、「スピーカーラベル」設定が備わっており、オンになっていれば自動で話者のラベル付けをしてくれます。
- 対策: 会議の最初に「〇〇(名前)です。本日の議題は〜」のように、発言者が自分の名前を言うルールを設ける。
- 弱点②:専門用語や早口、ノイズに弱い
- 対策: なるべく静かな環境で、マイクに近づいてハキハキと話すことを心がける。AIが苦手そうな専門用語は、後で手動修正することを前提にする。
要約の際に、「不明瞭な箇所は明示して」と指示することで、要約の際の誤りを発見し低減できます。
- 対策: なるべく静かな環境で、マイクに近づいてハキハキと話すことを心がける。AIが苦手そうな専門用語は、後で手動修正することを前提にする。
- 弱点③:長時間だと停止することがある(※Googleドキュメント音声入力の場合)
- 対策: 60分を超えるような長時間の会議では、30分ごとなど、キリの良いところで一度音声を停止し、再度開始する。
Pixelスマホなら長時間で停止することを防げます。※Pixelウォッチのレコーダーは30分で停止するようですので、長期録音に向きません(2025年9月現在)。
- 対策: 60分を超えるような長時間の会議では、30分ごとなど、キリの良いところで一度音声を停止し、再度開始する。
さらに効率化したいあなたへ!応用テクニック2選
基本をマスターしたら、次は応用編です。あなたのワークスタイルに合わせて、最適な方法を探ってみましょう。
応用1:Google Meetの字幕機能とChrome拡張機能の活用
オンライン会議がメインなら、Google Meetの「字幕」機能が便利です。表示された字幕をテキストとして保存できる無料のChrome拡張機能(例:「こえもじ」など)と組み合わせれば、よりスムーズに文字起こしデータを作成できます。
応用2:より高精度なAI議事録ツール(無料プラン)を試す
「やはり話者の分離は自動でやりたい」「もっと精度が欲しい」と感じたら、専門ツールの出番です。 **「Notta」や「tl;dv」**といった高機能なAI議事録作成ツールには、多くの場合、月間の文字起こし時間などに制限はあるものの、無料で使えるプランが用意されています。Googleの無料版で物足りなくなった際の、次の選択肢として検討する価値は十分にあります。
まとめ:今日から始めるAI議事録で、あなたの時間を最大化しよう!
今回は、Googleの無料ツールだけを使って、賢くAI議事録を作成する方法をご紹介しました。
【本日のまとめ】
- GoogleドキュメントやPixelレコーダーで、リアルタイムに文字起こしする。
- 文字起こし結果をGeminiにコピペし、「魔法のプロンプト」で要約・整形する。
- AIの生成結果を人間の目で最終チェックし、完成。
この方法を使えば、議事録作成にかけていた時間を大幅に削減し、もっと本質的な業務に集中できるようになります。
まずは、お手元のPCやスマートフォンでGoogleドキュメントを開き、「音声入力」を試すことから始めてみませんか? あなたの仕事が、今日からもっとクリエイティブになることを応援しています!